二つの伝統工芸の融合

 

うやま工房 伊勢型紙 房州うちわ
うやま工房 伊勢型紙 房州うちわ

着物の生地を染めるために使われる伊勢型紙。

本来は染色のためのものですが、文様を彫刻刀で彫り抜いた型紙自体の美しさが、近年は工芸品として評価されています。

この房州うちわは、実際に染めに使われ、その役目を終えた伊勢型紙が使われています。
固く耐水性のある伊勢型紙をうちわに加工するには、通常の工程のほかに、さらに特別な処理が必要で、その手間ひまは三日間にも及ぶのだとか。
さらに、紗の張られている型紙をうちわに貼るのも、相当の集中力を要することは、想像に難くないでしょう。
「うちわを貼る作業は、他に何も用事がない日を選んで、時間をたっぷり取ってきちんと向き合わないとできない」とおっしゃる宇山まゆみさん。その言葉も大いにうなずけます。

光にかざしたとき、型紙とうちわの骨が透けて見える陰影は、まさしく日本の美。
「伊勢型紙」と「房州うちわ」二つの伝統工芸の融合をお楽しみください。

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