『toc toc』とこぎん刺し

弘前こぎん研究所 津軽こぎん刺し ミニポーチ
先日『toc toc』というスペイン映画を見ました。
tocとは強迫性障害(Trastorno Obsesivo Compulsivo)のこと。

潔癖性で他人にさわれない女性、
自分の意志とは関係なく下品な言葉が口から出ちゃうおじさん、
鍵は持っているか、ガスの火を消したか、いつも不安になるおばさん、
なんでも計算したり数えないと気がすまないタクシー運転手、
シンメトリーにこだわり、床の線が踏めない男性、
いつも言葉を反復して言ってしまう女の子、

ちょっと変わった障害を持つ患者たちがメンタルクリニックの待合室で鉢合わせ。みんなでグループセラピーを始める、というドタバタコメディ映画です。

私などは、鍵やSUICAを探しては鞄の中をひっくり返すことが多々あり、友人に「ナイナイ病のゆみちゃん」と言われていたので、鍵おばさんには大いにシンパシーを感じてしまうのですが、ふと、こぎん刺しを見た時、もしや、こういう刺し子を生み出した人も「数を数えないと気がすまない人」だったり「シンメトリーにこだわる人」だったのかもしれないな、と…。案外、そういう人のほうがすごい作品を作れちゃうかもしれません。

映画の登場人物たちは極端な例ではあるけれど、どんな人にもそれぞれ癖はあり、その個性を互いに尊重し、受け止めようというポジティブさに好感の持てるゆかいな映画でした。

 

こぎん刺しのページ

wazakkasui.com

wazakkasui.com