数への服従が生み出す美

「名も無い津軽の女達よ、よくこれほどのものを遺してくれた。」

これは柳宗悦がこぎん刺しについて語った言葉です。(「工藝」14号)

こぎん刺しの品を手に取る時、私もいつも同じ気持になります。

そして、柳は

「醜い「こぎん」はない。一枚とてない。(中略)数への服従がこの不思議を演じるのである。(中略)数と美とは結び合う。」

とも綴ります。

タテ糸を奇数で拾い、多様な文様を展開するこぎん刺し。

揺るぎのない法則性はかくも美しい。

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