これからの日本の手仕事を考えよう
今月の「日本のくらし手本帖」は柳宗悦の『手仕事の日本』 をご紹介しています。
この本は第二次世界大戦中に日本の青少年向けに書かれました。
今から思えば、手仕事の品があふれていたと思われる60年前でさえ、著者は日本中からすぐれた手仕事が廃れていることを憂いています。
半世紀以上を経た現代、社会が変わるにつれて、「手仕事」にまつわる周囲の状況も一変しました。
残念ながら伝統がすでに途絶えたものも多々あります。
しかし、日本からすべての「手仕事」がなくなったわけではありません。
私はこれからの「手仕事」に楽観視もしていませんが、悲観的にもなってもいません。
それは、この本を書かれた当時よりはるかに情報の多い今、すぐれた品、本物の品を見抜くことのできる消費者の目が育ってきていると感じるからです。
これからの「手仕事」を尊重して、どう支えていくかは現代の我々に委ねられています。
そんな問題意識も頭の片隅に置きながら、この本を手にとっていただければ幸いです。
日本のくらし手本帖『手仕事の日本』
http://www.wazakkasui.com/books/b012.htm
なお、今回をもちまして本間さとみのコラムは終了となります。
「和からはじまる小さな旅」に始まり、「台処歳時記」「日本のくらし手本帖」と10年以上にわたって、和のコラムを担当してくれました。
彼女ならではの視点や好みは翠のサイトに大いに彩りを与えてくれました。
今までの貢献に、心より感謝しています。
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