芹沢介のいろは―金子量重コレクション

あひろ屋の野口さんにお誘いいただき、国立近代美術館工芸館にて開催中の『芹沢介のいろは―金子量重コレクション』に出かけました。

昨年、金子量重氏がこの工芸館に寄贈した430点(!)を核に構成された展示は、多種多彩な芹沢介の仕事を俯瞰できる充実の内容でした。

極力シンプルな線と色で女性の体を表現した裸婦のデザイン、カレンダーの和洋折衷のかわいらしさ、下絵類の自由闊達で即興的な筆の運びなど、どれもこれもが印象的でした。

製作に悶々としながら、気晴らしに描き散らした絵を集めた紋々帖からは、創造の苦しみと楽しさが同時に伝わってきました。

うちわ、のれん、着物、書籍の装丁…どんな形式にもユニークな発想と美しさがあり、二人で夢中で見ていたら、閉館10分前のアナウンスが!

一人で作品に向き合うのもいいですが、今回は野口さんと作品の感想を共有し、時に染めの技についてお話をうかがいながら見たことで楽しさが倍増しました。

野口さん、どうもありがとうございました。

国立近代美術館工芸館の建物は、重要文化財の旧近衛師団司令部庁舎なのだそうです。

煉瓦造りの重厚な建物の中は照明や調度類もすてきでうっとり。

工芸館は数年内に金沢へ移転することが決まったとか。

今のうちに東京都民は一度はここを訪れることおすすめします。北の丸公園のお散歩とあわせてどうぞ!

『芹沢介のいろは―金子量重コレクション』は5月8日[日]まで

http://www.momat.go.jp/cg/exhibition/serizawa/