「青はどの諧調でも固有の個性を保つ唯一の色である」
これは画家のラウル・デュフィの言葉です。
青は暗くても明るくてもどこまでいっても青であるのに、黄色は暗くなると黒ずみ、赤は暗くなれば茶色になる、というわけです。
私はこの言葉を知ったとき、大いに納得すると同時に、藍染の色の名前を思い浮かべました。
“藍”という色は、甕に浸した回数によって「甕覗き(かめのぞき)」「浅葱」「縹(はなだ)」「藍」「紺」「搗返し(かちがえし)」など何段階もの色の名前を持っています。そこに、デュフィの考え方と通底するものがあるように思えたのです。
濃淡だけで奥深い表現ができるところが、藍の素晴らしさ。
そんな藍染を“使って楽しめる”のが手作りひなやの信玄袋です。
丁寧な縫製ですから、どんどん使い込むことで藍の味わいが増していくのも楽しみなんですよ。