奪われる生命を美しい形にかえて

加藤キナさんの鹿革のコサージュ、入荷しました。

その素材である鹿革のお話を少し。

近年、鹿は日本各地で増え続け、農作物を荒らし、山の木々を枯らす害獣として捕獲されています。

廃棄されるだけになっていた鹿を「革」として活かそうとする取り組みが、狩猟者、なめし業者、革作家、革職人のなかで始まりました。

加藤キナさんもそのメンバーとして参加されています。

野生の鹿を解体し、「皮」を剥ぎ、植物タンニンでなめし、「革」にして、消費者の手に届く品物にするまでには、コスト的にも技術的にも多くの困難が伴います。

野生の鹿革は既成品のように扱い易くもありません。季節ごとにコンディションも異なります。野生ですから生前についた傷もあります。

その困難にあえて立ち向かうのは、鹿の利用価値を高めて、奪われる生命を循環させるため。

日本の革作家として、日本の鹿革を活かしていきたい。そうキナさんは語ります。

 

愛情深く作られたキナの品はとても美しいです。

その美の背後にある「生命」に、少しでも思いを馳せていただければ幸いです。

(鹿の革はコサージュの花の部分に使われています) 

「りんどう」「りんごの花」「ニッコウキスゲ」「シロツメクサ」など可憐なお花がいっぱい。

ぜひこちらからご覧ください。

http://wazakkasui.com/?mode=grp&gid=1447272&sort=n