十年もの間、当店の竹籠を作ってくださった三上幸男さんが今月、他界されました。
1930年生まれでしたから、そう遠くない将来、お別れの日が来るであろうことは頭ではわかっていました。しかし、実際にその日が来てみると、文字通り心に穴の空いたような寂しさを味わっています。
三上さんの竹籠は人気が高く、入荷してはすぐに売り切れ、を繰り返していました。ご病気が見つかる今年の8月まで籠を作っていらしたそうです。もっとゆっくり余生を楽しむこともできたでしょうに、こちらの期待に応え続けてくれた三上さん。働かせすぎたのでは…という自責の念がよぎります。
最後にりんご籠と椀籠がごくわずかだけ届きました。
ご本人は亡くなられても、品物が残って誰かの役に立つ、ということはすてきなことだと思います。
三上さんの籠を大切に使い続けてくださる方のもとへ旅立つことを願っています。
たくさんの美しい籠を作ってくださった三上さん、本当にありがとうございました。
安らかにお眠りください。合掌。