真夏のしめ飾り講座

Facebookでシェアされていた記事を見て、急遽帰りの電車をキャンセル。三鷹図書館の「納涼!しめかざり講座・日本のおめでたい形」親子講座へ子どもなしで参加した。

先月、旅先の松本民芸館でユニークな形のしめ飾りに出会い、先週は吉祥寺のつみ草さんでも似た形のしめ飾りを見つけた(売り物ではなかったが)。そして今回の講座。この真夏にしめ飾りですよ?! 私がシンクロニシティを感じたとしてもおかしくはないわよね?

講師の森須磨子さん(デザイナー、しめ飾り研究家)は年末になると、大きなずだ袋を抱え、カメラを提げ、防寒具を着込んで、しめ飾りを求めて日本各地を回るのだという(講座の冒頭、その出で立ちで登場!)。

ずだ袋からはしめ飾りがいくつか出てきて、ドラえもんのポケットのよう。たぶん会場にいるどの子どもよりも私がワクワクしていただろう。

まずはしめ飾りの説明から。邪を祓い、歳神様を迎えるという考え方を2色のハンカチで子どもにもわかりやすく視覚化。なるほどね〜、とってもおもしろい。

スライドでは日本各地に伝わる多様なしめ飾りを見ることができた。形によってだいたい五つのタイプに分類できるそうだ。

クイズ仕立てでこれが何の形かを当てながら、その意味を知る。

亀のしめ飾りには、親亀、子亀、孫亀の三つが重なっていてびっくり。九州には鶴の形が多いのだとか。私が民芸館や吉祥寺で見て惹かれたのは山形の鶴岡市の俵型のものだった。どのしめ飾りも素朴で美しい。オリジナリティにあふれ、見ていて楽しくなるものばかり。作り手のおじいさん、おばあさんもみな味があるなぁ。

特に興味深かったのは、しめ飾りの綯いかたは左綯いであり、普通の縄は右綯いであるということ。日本には古来から左は「聖」、右は「俗」という考え方があるということを初めて知った。

古来から稲作を続けてきた日本人。米と同時に藁は身近で大切な存在であり、寿ぎや祈りの気持ちを託したしめ飾りは日本人の思想を象徴する存在の一つかもしれない。帰りの車窓から夕陽に照らされ神々しく輝く田んぼを眺めつつ、そんなことを考えた。

今度は森さんの大人向けの講座も聞いてみたい。

三鷹図書館二階では、全国各地のしめ飾り、しめ飾りマップ、しめ飾りカルタなどが今日(7/31)まで展示されています。