テマヒマ展に行って来ました

先日、六本木ミッドタウンの21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「テマヒマ展 〈東北の食と住〉」に出かけてきました。

テマヒマ展 http://www.2121designsight.jp/program/temahima/

グラフィックデザイナー 佐藤 卓とプロダクトデザイナー 深澤直人の視点から東北のものづくりに焦点を当てたこの企画展、ガラスの展示台に民具や食品を規則正しく並べ床にシルエットを浮かび上がらせたり、保存食の素材と製作過程、完成品をパウチで加工して壁に貼り付けたり、といった展示手法は斬新で、デザインの美術館らしさが感じられました。

民芸館や文化資料館などに出かけるといつも思うことですが、生活の道具は文脈から切り離した途端によそよそしくなります。

それは「物を集めて展示する」ということの限界なのでしょう。

せめて「おさわり自由」だったらもう少し親しみがわくのになぁと少々残念な気もしました。

webの画像だけで品物を販売しているネットショップの店主がよく言うよ、と突っ込まれそうですが、そこらへんは目をつむっていただきたく。

面白かったのは職人さんたちの仕事風景の映像。

熟練の仕事というものは、作られた品が美しいだけではなく、手わざの所作そのものが美しいということに気付かされました。

延々と同じ作業を繰り返すなかで身についたであろう、よどみない流れとリズム。

視覚と聴覚双方に訴えてくるその心地よさにうっとりしてしまいました。

この企画展で紹介されていたのはいずれも「よくぞ今まで残してくれた!」と感謝したくなるテマヒマかかる仕事ばかり。

市場原理が最優先される現代において、合理化に流されず、伝統的なものづくりを継承してくださった人たちにあらためて敬意を覚えずにはいられませんでした。